463号室
「えっ、もう先生の授業終わりですか?」
皆様、こんにちは。福岡教育連盟、執行委員長の藤野英二です。
私にとって先月は非常に長く感じられたのですが、今月は「もう半ばか、早い」という感じです。この時間経過に対する感じ方の差は、いったいどこから来るのでしょうか。「忙しい時は時間の経過がはやい」と言われることもありますが、必ずしもそうではないように思います。
私は授業展開を考えるときに、「生徒が50分を短く感じる授業」を心掛けてきました。もちろん「分かりやすい授業」「生徒が主体的に取り組む授業」という観点も持ちながら、「えっ、もう先生の授業終わりですか?」という言葉を生徒が口にする授業。そんな授業を目標に試行錯誤を重ねてきました。
20年以上、授業を行ってきた経験から、個人的に辿り着いたのは、「50分を3分割した授業展開が、生徒の集中力も維持した上で、短く感じられる」という推論です。すでに小中学校では「帯学習」や「モジュール学習法」を取り入れている学校も少なくありません。15分程度の時間で集中して行う学習法の効果も、実証されているようです。
このように考えていくと、私たちの「集中の度合」で、時間経過の感じ方に差が生じているようです。さらに適度な緊張感が必要で、ストレスが強ければ、時間経過の感じ方は遅くなるのではないかと思います。逆に単調な授業も、生徒のとっては長く感じるものです。「授業は生もの」と言われるように、バランスの良い授業展開は、20年以上たった今でもなかなか難しいものです。だからこそ「授業はおもしろい」のですが・・・。
「人生100年時代」とよく言われますが、晩年には、振り返って「充実した人生だった」と言いたいものです。そのためにはやはり、集中して取り組めるものが必要だと思います。それは仕事であったり、趣味であったりするかもしれませんが、その取組が「誰かの役に立った」と実感できたら、振り返ったときに清々しい気持ちになるのではないでしょうか。
私も52歳となりましたが、人生はまだ半ばです。日本の教育に携わる一人として、誰もが幸せと感じられる社会の実現に向けて、子供たちのため、その子供たちを支える先生方のために、少しでも支えとなるように、日々集中して頑張ります。
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