福岡教育連盟
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勉強しない日本の高校生〜授業改善と学習意欲喚起の方策が重要〜

 平成二十二年四月、(財)日本青少年研究所より「高校生の勉強に関する調査」の結果が報告された。日本・米国・中国・韓国の普通科高校を中心とした高校一〜三年生男女を対象としたものであり(日本は専門学科8%含む)、授業形態の好き嫌い・勉学態度・勉強の仕方と時間・成績に対する意識と親の態度などについて調査を実施している。現在の日本の高校生の学習実態や学習に対する考え方や態度について興味深い調査結果が表れており、このデータをもとに、高校の教師がどのような姿勢で生徒や授業に向かうべきかを検証し提言したい。

期待されるのは教科書の内容をきちんと教える知識豊富な先生
 まずどのような授業が好きかという問いに対して、日本の高校生は「教科書の内容をきちんと教え、覚えさせる授業」と答える割合が他国に比べて高い(日71・4%、米31・2%、中64・9%、韓39.6%)。逆に生徒によく発言させる授業やグループ授業、体験重視の授業などは他国に比べて日本の高校生が支持する割合は低いという結果が出ている。
 また、「好きな教師は」という質問に対して「知識が豊富な先生」「冗談を言い合えるような先生」を日本の高校生の半数が支持している。特に「知識が豊富な先生」を男女ともに半数以上支持しているのは日本だけである。
 日本青少年研究所は「日本の高校生の教科書に対する信頼性の高さと『自主的学習機会』への戸惑いも見て取れる。彼らは必ずしも自由度の高い授業に魅力を感じていないのである。」と分析している。日本の高校生は案外旧来の「経験や知識の豊富な教師による、教科書をしっかり教え込む授業」を期待している。教師がどのような姿勢で授業に臨むべきかを示唆している結果であろう。

授業中は居眠り、家庭勉強はしない日本の高校生
 高校生自身が授業をどのように受けているかという「授業中の態度」についての質問に対しては、日本の生徒は「きちんとノートをとる」と回答した割合が多い反面、「居眠りをする」と答えた生徒が突出して多い(日45・1%、米20・8%、中4・7%、韓32・3%)。「授業中の内容がわからないときは先生に聞く」と半数の生徒が答えてはいるものの、四ヶ国中最低であり、「そのままにしておく」という割合は四ヶ国中最も多い。
 定期考査に備えてとにかくノートだけはしっかりとるが、教師の説明になるとウトウトを始めるという生徒の実態は、多くの教師が経験していることではないだろうか。
 家庭学習の状況については、平日に宿題を全くしない生徒は日韓に多く見られるが(日22・7%、米3・6%、中1・2%、韓30・3%)、平日に学校の授業と宿題以外に全くしない生徒となると韓国はぐっと数が下がり(日34・2%、米24・6%、中6・9%、韓17・4%)、逆に二時間以上勉強する割合は韓国が四ヶ国中トップである。つまり、日本の高校生は、学校以外では家庭でも塾でも学習をしない生徒の割合が最も高いということになる。日本の高校三年生で約三割の生徒が宿題もしない、塾などにも行かない、本当に全く勉強をしていないという驚くべき実態が明らかになっている。
 学校の授業をしっかりこなせば十分だという意見もあろうが、授業を受ける態度も家庭学習もこのようにおぼつかない状況であれば、授業改善や家庭学習促進のための対策を、各教師が工夫を凝らして取り組む必要が急務であるといえる。

学習意欲向上に向けての取り組みが不可欠
 そのような現状での自己の成績に対しては「別によい成績を取りたいとは思わない」と回答する生徒の割合が他国よりも高く、親の態度についても、両親ともに子どもの成績に対する関心が他国に比べて低い。特に父親の関心は極めて低く、子どもの教育に強い関心を持つ父親の割合は、他国が約六割を占めるのに対して、日本はわずか二割しかない。
 生徒は向上心や学習意欲が希薄で、学習に対する取り組みが甘く、家庭での教育に対する関心も決して高くないという我が国の教育における課題が顕著に表れている。
 平成二十年の中央教育審議会答申では、まさにこのような課題を踏まえ、新学習指導要領改善の方向性として「学習意欲の向上や学習習慣の確立」を挙げた。
 基礎的・基本的な知識技能の習得や、確かな学力を確立するためには、教師が学習環境を整えるしかない。ノートをとらせて満足させるだけの授業ではなく、生徒が求めているように、教師が教材に対する確かで豊かな知識を持ち、興味や関心を持たせる魅力ある授業展開を心がけるなど、熱意を持って生徒に意欲的に授業に向かわせ、学ばせることが不可欠である。また、学習習慣の確立に向けては、家庭と学校が連携し、基本的な生活習慣を確立すること、家庭学習を充実させることなどの取り組みを着実に進めていくことが重要であると言えよう。