福岡教育連盟は教育の正常化を目指し、日々教育活動に励む教職員の集まりです。

日常の活動

Activity

平成27年08月29日

特別支援教育部宿泊研修会

特別支援教育部は平成27年8月29・30日、ホテル一楽にて宿泊研修会を開催し、特別支援学校、高等学校の連盟員等約30名が参加した。
■第一研修
 講演「機能レベルに合ったコミュニケーション支援のポイント」         講師 ABC研究所・行動エンジニア 今本繁先生
     
一 行動を理解するためのABC                  
 ①強化の法則
  好ましい環境変化をもたらすような行動は、将来にわたって続く。エアコンスイッチを押したら涼しくなる(好子出現)、雨が降ったら傘をさす(嫌子消失)。
 ②弱化の法則
 好ましくない環境変化をもたらす行動は、将来にわたって続かなくなる。赤ちゃんが扇風機の羽を触ると怪我をする(嫌子出現)、飲酒をして捕まる(好子消失)。
 ③弁別の法則
 マークやシンボル、目印や手掛かりによって、行動は、強化の先行条件によって引き起こされ、弱化の先行条件によって抑えられる。男性はトイレに行きたい時は、男性用のマークを確認して入るが、誤って女子用のマークに入ると恥をかく。
 ④行動の法則
 父親に頼んでエアコンのスイッチを入れてもらうという行動には、発し手と受け手の二者間でコミュニケーション行動が生じる。         
二、行動を支援するABCモデル コミュニケーション行動を支援するABCモデルには次の段階がある。
 ①レベルA(指示が伝わらない)
 行動を本人にわかる機能レベル(実物・写真・絵やイラスト・文字や語句・口頭や文章)で伝える。活動スケジュールの構造化として、運動会の手順書について、「いつ」「どこで」「何をするのか」が混乱せぬような実践例を紹介。
 ②レベルA(思考の整理が難しい)
 考えを視覚化し、まとめるための支援。例えば運動会の内容を文にする場合、思考のウォームアップや段階を踏ませる方法、会話スクリプトや会話カードを活用する技法を紹介。
 ③レベルB(コミュニケーション行動が身についていない)     子どもが楽に使える伝達様式(話し言葉・書字・サイン言語・具体物・身振り・絵や写真)を選ばせる。他者及び自己の感情理解、表明に関しては、ゲーム感覚で子どもの好きなアニメやドラマを通して、感情を読み取る練習をすると効果的。
 ④レベルC(動機づけが足りない、間違った動機づけに左右される) 反抗的な子どもを事例に挙げ、よい行動に注目し、気持ちを乗せる方法として、子どもとの関係作りとして、興味の共有と共感をする方法や、トークンシステムの活用を紹介。トークンシステムについて、目標に向かって頑張る→トークンを貯める→トークンを使う→目標達成→次の目標に向かって頑張るという、労働と楽しみとトークンの関係を説明。次に、行動が間違った動機づけに左右されている場合は「○○のとき△△すると□□になるよ」というように、ある条件の下で、ある行動をすると特定の結果がもたらせると言う言語刺激について説明された。事例やDVDをもとに分かり易い説明であった。

■第二研修「情報交換会」

■第三研修
 研究協議「学校から見た障害児・者のネットワーク関係図」         
平成二十五年度より国の障害福祉施策が、「障害者自立支援法」から「障害者総合支援法」へと法律名も変わり、地域社会における共生社会の実現に向けた障害福祉サービスの充実が図られている。特に平成二十七年四月から義務化された「障害児相談支援事業」について情報を共有。放課後支援のデイサービス事業所が激増した背景や「支援利用計画」作成の義務化などは学校側も知っておくべき内容である。今後、保護者への福祉に関する説明の必要性は勿論、学校と福祉との緊密にした連携が益々重要になってくることを実感した。